「AIでシステム開発ができるらしい」――そんな話を聞いても、「うちには関係ない」「エンジニアがいないと無理でしょう」と思われる方が多いのではないでしょうか。
実は今、当社のAI研修を受講中の企業様で、エンジニアではないマーケティング担当者と営業担当者が、自分の業務を効率化するシステムを自らの手で開発しています。しかも研修はまだ中盤。カリキュラムを終える前から、覚えたことを実務に投入し始めているのです。
今回は、その実例をもとに「Claude Code(クロード コード)を使ったシステム開発は、非エンジニアでもどこまでできるのか」をご紹介します。
Claude Codeとは? 30秒でおさらい
Claude Codeは、AI企業Anthropic(アンソロピック)が提供するAI開発ツールです。日本語で「こういうシステムを作りたい」と伝えるだけで、AIが実際にプログラムのコードを書き、動くものを作ってくれます。
「会話で答えてくれるAI」がChatGPTやClaudeチャットだとすれば、Claude Codeは「手を動かして作ってくれるAI」。プログラミング言語を知らなくても、業務の課題を言葉で説明できれば、開発を進められるのが最大の特徴です。(チャット型AIとの違いはClaude・Claude Code・Coworkの使い分け解説で詳しく紹介しています)
実例1:マーケティング担当者が「ブログ更新システム」を開発
1つ目の実例は、マーケティング担当者様が開発中のブログ更新システムです。
ブログ運用は「ネタ探し」「構成づくり」「執筆」と工程が多く、通常業務と並行して続けるのが難しい仕事です。そこでこの担当者様は、Claude Codeを使って次のような仕組みを構築しました。
AIが情報収集と構成案づくりを担当する。テーマを与えると、AIが関連情報をリサーチし、読者に伝わりやすい記事構成を提案します。
自社の強みや事例を人間が提示する。提案された構成に対して、自社ならではの取り組みや実績を担当者が加えると、AIがそれを織り込んで記事を組み立てます。
つまり「AIに丸投げ」ではなく、AIが下ごしらえを行い、自社にしか書けない中身を人間が入れるという分業です。記事の質を保ちながら、更新にかかる時間を大幅に圧縮できる体制が、外注ではなく担当者自身の手で出来上がりつつあります。
実例2:営業担当者が「見積もり自動作成システム」を開発
2つ目の実例は、営業担当者様が構築中の見積もりシステムです。こちらは「営業は確認するだけ」という大胆なフローを目指しています。
過去の見積もりをAIに学習させる。これまで蓄積してきた見積もりデータをAIが参照し、価格設定や項目立ての「自社の相場観」を身につけます。
見積もり依頼が来たら、AIが見積書を作成する。依頼内容に対して、過去の類似案件をもとにAIが最適な見積書を組み立てます。営業担当者の仕事は、出来上がった見積書を確認して送るだけです。
さらに注目すべきは、このシステムの土台づくりです。学習の元になる過去の見積もり約5,000件を取得するために、RPA(作業を自動で行うロボット)まで自分たちで開発中です。5,000件のデータを手作業で集めるのは現実的ではありません。「データ収集の自動化」と「AIによる見積もり作成」を組み合わせて、初めて実用的なシステムになる――そうした設計まで、研修で学んだ知識をもとに担当者様自身が考えています。
なぜ非エンジニアが、研修中盤で開発まで進めるのか
「特別に優秀な人だったのでは?」と思われるかもしれません。しかし、お二人とも受講前はプログラミング未経験です。ポイントは3つあります。
1. Claude Codeが「翻訳者」になってくれる。従来の開発では、やりたいことをプログラミング言語に翻訳する技術が必要でした。Claude Codeはその翻訳を引き受けてくれるため、人間側に必要なのは「自分の業務を言葉で説明できること」。これは業務を一番よく知る現場の担当者こそが得意なことです。
2. 研修が「自分の業務」を題材にしている。当社のAI特化型実践研修では、一般的な演習ではなく、受講者様の実際の業務課題を題材にします。学んだことをその場で自分の仕事に使うため、「研修は受けたけれど現場で使えない」が起こりません。今回の2つのシステムも、研修の演習がそのまま実務の開発になった例です。
3. 小さく作って、すぐ試せる。AIを使った開発は「作っては動かして確認」のサイクルが速く、完璧な設計書がなくても始められます。だからこそ、研修中盤という早い段階でも実務への投入ができるのです。
正直な注意点:AIだけで完結するわけではない
ここは正直にお伝えします。Claude Codeは強力ですが、あくまで道具です。
業務システムには、セキュリティ対策、データの管理設計、トラブル時の対応など、経験がものを言う領域が残ります。今回ご紹介した企業様も、研修の中で当社が伴走し、つまずくポイントを一緒に越えながら開発を進めています。
大切なのは「AIに丸投げする」ことでも「今まで通り全部外注する」ことでもなく、現場が自分で作れる部分を増やし、専門家の力が要る部分を見極められる社員を育てることです。それが、外注費に頼らない「内製化できる会社」への第一歩になります。
経営者の方へ:この変化が意味すること
システム開発の内製化は、もう大企業だけのものではありません。ブログ更新システムも見積もりシステムも、従来なら外注で数十万〜数百万円規模の開発です。それが、現場の担当者が研修を受けながら自ら作れる時代になりました。
作って終わりではなく、育て続けられる。外注したシステムは修正のたびに費用と時間がかかりますが、自社で作ったシステムは業務の変化に合わせて現場がすぐ手直しできます。
研修費用には助成金が活用できます。当社のAI研修は、人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の対象となる形で設計でき、条件を満たせば実質負担を大きく抑えられます。負担額の目安は助成金シミュレーターで60秒で試算できます。
まとめ:AIでのシステム開発は「実例がある話」になった
Claude Codeによるシステム開発は、もはや理論上の話ではありません。プログラミング未経験のマーケティング担当者がブログ更新システムを、営業担当者が見積もり自動作成システムを、研修の中盤で実際に作り始めている――これが2026年の現実です。
「うちの業務でも作れるものがあるのか知りたい」「AI研修の内容を詳しく聞きたい」「助成金がいくら使えるか知りたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。貴社の業務内容をお伺いして、何がどこまで内製化できるか、具体的にお答えします。